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#285 ゆるり

街の喧噪を他所に、この場所は時間だけがゆっくりと流れている。
船宿で作られている佃煮の匂いに誘われて、猫が店に入ってきたって、
主人は全く気にしない。
また猫も店の品に手を出す訳でもなく、エサをせがむわけでもなく、
まるで自分の住処(いえ)にでもいるようにくつろいでいる。

いずれ、この辺りに住みたいなと思ってから、どれくらいの月日が
経ってしまったろう。
「時間がゆっくり流れているところなら、もっといいとこがあるよ。」
そう、東京を出ればいくらだってあると思う。
日本は狭いようで、広いし、世界に目を向ければもっともっと広がる。
でも、この東京の中じゃなければダメなんだ。
東京という街の中にあるから、価値がある。
まぁ、自分がそう思っているだけなんだけれど。