#287 つじつま

今更ですが、今年の夏は暑うございました。
「暑さ寒さも彼岸まで」などと古来から言われておりますが、真見事に辻褄を合わせるように
秋が一気にやって参りました。
異常と異常と言われつつも、今年のような暑さはどう考えたって、人災のようなもので、便利
さと引き換えに、四季のうつろいを壊してしまったのですから。
それでも、こうして秋を迎える事が出来るのですから、地球ってヤツぁは素晴らしいです。



アスファルトから沸き上がってくる暑い湿気を避けるように、隅田川テラスに避難しつつ、
“中秋の名月”の淡く、柔らかい光を浴びながら、歩く。
やはり、水辺の近くは涼しくて、心地よくて、いくらでも歩けるような気がした。



厩橋に付いた頃、月は相変わらず涼しげに見えたけれど、風が少しばかり冷たくなっていた。
翌日の雨とともにやっと秋がやって来るんだなと思った。
また、満月を見る事が出来ないけれど、それより、秋がやって来てくれる喜びの方が大きかった。