#316 冬の桜に白い花

今朝、会社の窓から外を見た時、ほんの短い時間ではあったけれど細かく小さな雪が降っていた。
そして、夕方、会社から帰って来る時に降っていた雨は、いつの間にか雪へと変わっていた。

大きくて、フワフワとした雪はあっという間に、多くの色と多くの音を消していって、耳に
聞こえて来るのは、雪が地面に落ちる音だけになった。
パサッ、パサパサ。
冬の桜の木に咲く白い花を東京では見る事なんてできないだろうと思っていたけれど、きれいに
きれいに咲いてくれた。

桜の木に咲いた白い花は朝にはなくなっているだろうと思う。
儚いというのは、美しいという事なんだと思った。
儚さの裏側にある美しさを桜の木に咲いた白い花は教えてくれた。