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#335 灯り

眠れているようで、眠れていなくて、朝起きると身体が揺れているような感覚。
きっと寝ている間も、微弱な余震で身体が揺れているんだろうな。
夢を見る事は無いけれど、決して深い眠りにはついていない。
余震を緊張しながら、目を閉じても満足に眠りにつく事ができなくて、うとうととしていて、気がつくと朝を迎えている。
思い出したくはない感覚だけれども、こんな感覚になった時、あの時はどうしていただろうと必死に思い出す。
どうしてたっけ、こんな時はどうしてたっけ。


通勤途中も、仕事中も何となくボーッとしている事があるし、食事中には箸が止まっている事もある。
被災地の方たちに比べれば寝心地のいい寝床もあるし、暖かい食事をすることも、心休まるお風呂につかる事もできるから、
と思いたいが、それでも被災地に居るのとはまた違ったストレスがある。
実施されるのか、されないのか分からない停電とその影響で混乱する交通網。
ガソリン不足による物流の停滞とそれによる商品の品不足。
不安に煽られて起る独りよがりの買い占め行動。
多種多様な負の情報が連鎖して、買い占めという行動に出るのは日本人の悪い癖だ。
“略奪の無い秩序のある国民”と賞賛を頂いているのに。



今、ふと水滴に濡れた窓の外を見る。
いつもに比べれば窓の明かりも少なくはなっているけれども、それでも窓には灯りが点いていて、道路も灯りで照らされている。
もちろん私の部屋にも。
灯りが点いている有り難さを身にしみて痛感する。
私たちの生活は便利に、そして裕福になり過ぎている。
少し見直そうと思う。
停電の時に外に探検に出て、月を眺め、星空に感動していた友人のように。