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#339 愚行

この日、昨日。
多くの人たちが、満開に近い桜の木の下で、お昼時にお弁当を広げていた。家を出て、会社を出て、お店を出て、お隣さんとか、
顔見知りとか、初対面とか、大人とか、子供とか、犬とか、猫とか、鳥とか、そんなものすべて抜きにして、ポカポカ陽気の青空
の下で、ささやかなお花見を楽しんでいた。どの顔も笑顔で、どの顔も朗らかで、優しくて、わずか、ほんの1時間程度の小さな
お花見。この程度すらも自粛しなければいけないのか?

連日。
ツイッターの中では、自粛、中止、風評をばら撒く者、何かつぶやくごとに不謹慎を叫ぶ者たち。東電社員への嫌がらせ、その
子供たちにまでと呼びかけるツイート。
そんな事をして、何の意味があるのか。
原発事故、計画停電など様々な要因で、目に見えない恐怖とストレスが溜まっているのは分かるが、だからと言って、汗を流し
ながら必死になって働いている現場の社員に嫌がらせをするという行動は愚行としか言いようがない。嫌がらせなどという行為
をして、何の解決にもならないという事になぜ気がつかないのだろうかと思う。今は自己の思いを捨てて、日本中が一つになっ
て、東北だけではなく日本を復興させなければ行けない時なのに。それとも自分たちがそういったツイートをする事で、日本が
立ち直るとでも思っているのだろうか。
もし本当にそう思っているのなら、面と向かって“ドアホ!”と言ったやりたい。

日没から50分の夕暮れを経て、夜に包まれる遠くの空に三日月が落ちる準備をしていた。いつもは、三日月を見ればホッと胸
を撫で下ろす気分だけれども、この日はどう自分の気分を変えたとしても、悲しげに、寂しげにしか見えなかった。
月さえも今のこの現状を悲しんでいる。