#351 静寂

風に揺れて、遥かに頭上の竹の枝先がパキパキとぶつかり合い、笹の葉がザワザワと騒ぐ。
灰色の雲が強い風に流されて、時折、顔を出す陽の光で、薄暗い竹藪の中に、右から左へと
陽の光が流れていく。
風が止まるとそれまで騒いでいた竹藪の竹は、パキパキ、ザワザワという騒ぎ声を止める。
耳の奥で空気が漂う音だけが聴こえる、僅かな時間。

そしてまた、風が吹いて竹は騒ぎ始める。

パキパキ、ザワザワと。