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#415 Natural science 遥か昔に

"天体ショー"などという軽々しいものじゃないと思った。

肉眼で観ていた時にはそれほど感じなかったけれど、
こうして写真で見てみると、紛れもなくこれは地球の陰なのだと感じる。
時間が経ち、その陰が大きくなると、マンションの中庭にも徐々に人が
集まり始める。
私の目の前にいたご主人が車いすに乗った老夫婦が南天を見つめて、
寄り添う奥様に、時折、笑みを浮かべながら何かを話している。

驚愕、恐怖、不安。
かつて月食を初めて目にした先人たちをきっとそう感じたのだろうと思う。
今でこそ、月食が起こる仕組みを知っているけれども、それでも地球の陰に隠れ、
赤黒く変化していく月を観て、小さな不安を感じたのは私だけだろうか。

暗く、不安な夜の闇の中、月明かりが私たちの心の支えになっているかと
実感した夜だった。


※写真はかなり粗いものですが、私の技術ではこれが限界ですのでお許しを。