静寂


華やかで、煌びやかな街の明かりを遠くに見ながら、
風は、欄干に共鳴して、メロディを奏でていた。
欄干から下を覗き込むと、運河の水は、黒く深く沈み込み、
引き込まれそうになったが、風が白い波を立たせ、我に返った。



東京の中にポッカリと開いた穴。
静寂だけがそこにはあった。
疲れたら、しんどくなったら、ここに来よう。
ここから、遠くで煌く東京の景色を見よう。
ここは、私にとって大事なオアシスだから。