Far away -はるかに遠く-

家を出た時は、西に向かおうと思っていた。
でも、駅で電車が到着するのを待っている時、
反対側のホームに停車していた始発電車の
行き先を見て、向かう先を東に変更した。


風も強く、雲の流れも速い。
すでに、15時を回っているし、絶対の保証はない。
でも、昨日も雲は多かったが、素晴らしく美しい、
ピンク色に染まった雲と夕暮れに出会うことができた。
日没の時間に間に合うだろうか?
そう思いながら、電車に乗っている間も、車窓から見える
空と雲と風が撮りたくて堪らなかった。


電車を待っている時に見た”行き先”を見て、思い出した風景。
今のように写真を撮るきっかけになった風景のある場所。
『今行けばまだ間に合うかも...』
頭で考える前に、体が動いていた。
同じ写真が撮れないのはわかっていた。
あの写真を撮ったのは11月だったから。
それでもきっとまた素晴らしい風景に出会えるはずだと
”行き先”を見て、確信した。


日没まで20分。
駅に到着して、”あの場所”まで走った。
走りながらバッグからカメラを取り出した。
『やっぱり...ここはそういう場所なんだ。』


RICOH R8 WB:fluorescent


直線距離にして約120キロ。
茨城県と千葉県の境を流れる利根川から富士山を見ることができた。


Canon PowerShotSX10IS WB:Normal


夕暮れは、富士山の陰影を頂上付近の形までハッキリと映し出した。
濃いオレンジ色の中に、風に流される雲の中に、覆い被さってくるブルーの中に。
途中で写真を撮るのを止めた。
風の音を聴き、鳥たちのさえずりと羽ばたき、川の流れに耳を傾けた。


キラキラと光るススキの穂に心奪われ、
暗闇が空に覆い被さるまで、富士山を眺めつづけた。


Canon PowerShotSX10IS WB:Normal


Today's Tune
I Know You So Well... / Immanu el http://www.youtube.com/watch?v=lBSKjWWCoVo

they’ll come, they come

they’ll come, they come